いい ちいさな ものづくり

世代を超えてつなぐ、槇田商店にしかできないこと

ー 作り手

山梨県・西桂町 郡内地域で5代に渡り、生地の製造や傘づくりを行う槇田商店さん。創業1866年、150年以上の歴史がある老舗です。

もともと生地の卸事業を行なっていましたが、約50年程前から傘の製造業をスタート。現在では、生地づくり、そして傘づくりまで一貫して自社で行うことができる唯一のメーカーです。

自社ブランドである『槇田商店』は、「持っていて楽しくなる傘」「ちょっと素敵に見える傘」「大切に使いたくなる傘」の3つをコンセプトに、伝統的な技術で染めた糸を使用し、長年培ってきた織物技術、そして職人さんの知識や経験を活かした手仕事によって、糸から傘をつくりだしています。

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ー ものがたり

「もったいない」
この言葉から、ものがたりは始まりました。
槇田商店さんは10年程前まで、生地や傘のOEMを軸として事業を行ってきました。

「自分たちの持つ技術やものづくりを、OEM事業ではどうしても表現しきれない。」
そんなやるせない気持ちを心の片隅で感じていた時のこと、世界でも注目されている言葉「もったいない」という一言が心に響きました。
自分たちにしかできないものづくりの場をつくらなければいけない、雨露・日差しをしのぐだけの “モノ” ではなく、日本の風土に根差し、文化を大切にした傘をつくりたい。そうした考えから、屋号をブランド名として掲げたオリジナル傘ブランド『槇田商店』を立ち上げたのです。

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槇田商店さんの傘生地は、山梨県・織物産地の伝統技術である「先染(布を織る前に糸を先に染色する手法)」の技法を用い、さらに染める際に使用する水として富士の麓・郡内地方の湧水を使用することによって深く美しい色合いを表現しています。

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細部までこだわった糸でつくられるからこそ、独特な光沢や色の艶やかさ、上質な雰囲気があふれる生地が仕上がるのです。

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そして、もうひとつ注目したいのは槇田商店さんの美しい生地の柄。
他には負けないものづくりがしたい、そんな強い想いから槇田商店さんは設備の導入にもこだわっています。
電子ジャカードという複雑な織物を可能にする織機をいち早く取り入れ、デザイナーによってディティールまで追求されたデザインを生地へと落とし込んでいく。そんな生地へのこだわりが槇田商店さんの特徴でもある大きなジャガード柄を生み出しています。

知識や技術が込められた糸から生まれたオリジナル生地、そして職人の手仕事が組み合わさり、はじめて ”槇田商店さんにしかできないものづくり” を凝縮した傘が誕生するのです。

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ー 想い

時代の変化に対して臆することなく、設備や人に投資すること、自分たちで考えて企画すること、自社で作ること、そして自分たちで売ること。世代を超えて繋いだものづくりへの想いを大切に、自分たちのあり方を変えながら『槇田商店』だからこそできる表現を極めていきました。

時代の流れとともに新しい取り組みに挑戦できたのは、山梨県の富士の麓、郡内地域のみんなに支えてもらっていること、常にこの地でのものづくりにこだわれたことが大きな力だと槇田商店さんは考えているそう。

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地元の織物文化や技術の魅力が、雨の日を美しく彩る “傘” という形で全国の人々のもとへ届きますように。
そんな想いを胸に、槇田商店さんはこれからも自分たちだからこそできる表現を追求し続けていきます。

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ー 作り手情報

槇田商店(まきたしょうてん)

2020年5月5日


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