いい ちいさな ものづくり

奈良時代から受け継がれる煌めきを暮らしに。飾る力が心を明るくする、錺之-KAZARINO-の錺金具から生まれたアイテム

ー作り手

画像1

私達が京都で約50年間作り続けてきた錺金具は、仏壇や神社仏閣を「飾る」金具です。錺之-KAZARINO-は錺金具の「飾る」という力で人を幸せにしたいという思いから、錺金具の技術を使って普段の暮らしの中で楽しめるものを作っているブランドです。
高級感あふれる金属の艶に錺金具ならではの「飾り」を施した錺之-KAZARINO-のものづくりが目指すのは、目で楽しんでいただくこと、使って親しんでいただくこと、そして「飾り」の持つ力、気持ちを高めたり自信を生み出したりする力をあなたに届けることです。

まばゆい輝きに、繊細な造形美。今回ご紹介する錺之-KAZARINO-(カザリノ)さんは、50年以上にわたりお寺や神社・仏壇仏具・神輿や刀装具などを飾るための金具『錺金具』を京都でつくり続けてきた職人さんが生み出した、現代の暮らしを飾るアイテムを届けています。錺金具は日本最古の木造建築物である法隆寺金堂にも用いられ、日本ならではの美しさ、伝統文化には欠かせない存在です。また美しく飾るだけでなく建造物などを補強・保護する機能も持ち、日本の建造物や神社仏閣の世界においては欠かせないものです。

画像2

伝統的な錺金具ですが、その分使い道は限られてきました。
そこで、
「錺金具の伝統を引き継ぎながらも新しい道を切り開きたい。」
「錺金具の持つ可能性を広げていきたい。」
「錺金具の『飾り』の力で人を幸せにしたい。」
錺之という名前にはそんな思いを込めています。

錺金具の伝統と美しさはそのままに、新たな楽しみ方を届けようと2020年にブランドがスタートしました。現在、展開されている商品は『マスクバンド』『マネークリップ』『オーバルボックス』の3つ。主な素材は銅板や真鍮板で、切る、たたく、曲げる、彫るなどして成形をし、鍍金(メッキ)をして仕上げられています。

錺金具の1番の特徴でもある装飾性にこだわり、お客様が手にした時に、心がぱっと明るくなり気分が上がることを大事にしています。
また、素材のもつ風合いを活かすことにもこだわっています。
銅や真鍮は塗装やメッキをしなければ、経年変化し色合いが変わっていきます。
それをマイナスの変化ととらえるのではなく、長く使うほど色合いや風合いの変化を味わえ、自分だけの色艶が生まれてくることを楽しんでいただきたいと考えています。

画像3

錺金具の技術を活かして作られた『マスクバンド』は、長時間マスクをつけることへの負担をおしゃれに軽減してくれます。日本の伝統的な錺金具のデザインが現代風にアレンジされており、まるでヘアアクセサリーのように普段使いにもフォーマルなシチュエーションにもコーディネートのアクセントとしてぴったりです。

画像4
画像6

手のひらサイズの中に、緻密で美しい模様が彫り込まれた『マネークリップ』。リン青銅が使われており、使い込むことで深い色合いへと経年変化をする特徴があるため、使いながら自分だけの色艶が生まれます。また抗菌効果もあり、衛生的に使えます。お金をコンパクトに持ち運べるだけでなく、唐草・青海波・七宝・鎚目・さざ波といった日本らしい模様がリン青銅に映え、アクセサリー感覚で楽しむことができます。緩んでしまった際には、修理サービスが利用できるのも嬉しいポイントです。

画像6

銅、または真鍮で作られたオーバルボックスは、アメリカで誕生したシェーカーボックスの形を模しています。接着剤は一切使わず、側面のつなぎ目はスワローテイル(ツバメの尾)と呼ばれる独特の形で加工され、手しごとの風合いをより一層引き立てます。大切なものやちょっとした小物を収納するだけでなく、インテリアとしてお部屋をぐっとおしゃれに演出してくれます。


ーものがたり

画像8

ライフスタイルの変化にともない仏壇(特に錺金具のついた金仏壇)を持つ家が減っている時代ですから、このままでは錺金具の需要は非常に限定的になってしまうだろうという危機感を持っています。
父が築いてきた技術や歴史は大切な財産です。
それを引き継ぎながら今の時代に必要とされる企業になるにはどうしたらよいか、それが2代目としての私の課題だと考えました。

お父様が創業してから50年の時が過ぎ、ご自身が入社された際には時代の変化とともに錺金具の需要は急激に落ち込んでいました。錺金具とは、仏壇を装飾し極楽浄土を表現することで仏様に向き合う人々の心を癒したり、お寺や神社をきらびやかに飾りその建築物の美しさをより引き立て、見ている人々の心を明るくしたりするものだそうです。形や使われる場所を変えながらも「『飾る』ことで人々を幸せにすることが錺金具の真髄である」、錺金具の伝統を受け継ぎながらも新たな可能性を見出したいという強い想いで2020年にブランドがスタートしました。

画像8

私の目指すところは、錺金具の持つ「飾る」という力で人々を幸せにすること、笑顔にすることです。
伝統的な手仕事にくわえ量産という技術もあるため、多くの人にその力を届けることもできるはずです。しかし「錺金具」という言葉すら一般の方にはあまり知られていないのが現状です。
錺金具のことを多くの人に知ってもらうためには、錺金具をもっと身近に感じられる商品を作ることが必要だと考えました。

これまで接点のなかったより多くの人に錺金具のことを知ってもらうため、仏壇を飾るというこれまでの延長線上ではない商品を考案。もっと生活のシーンに寄り添い飾り立ててくれるもの、誰もが日常生活で楽しめるものにしたい、と『マスクバンド』『マネークリップ』『オーバルボックス』が生まれたのです。

錺金具の輝きと飾ることで生まれるエネルギーを誰よりも知る職人の現代の暮らしにおいても「人々の心を明るく、幸せにしたい。」という願いが、錺之-KAZARINO-には込められているのです。


ー想い

画像9

「飾り」のない世界は味気ない。思いを寄せている人と初めてのデートの日、かっこいい時計やアクセサリーを身に着けると、緊張が自信に変わり気持ちが前を向きます。
楽しみな約束がある日、いつもより丁寧に化粧をし髪型がうまくきまると、ますます胸が躍ります。誕生日のお祝いやクリスマスパーティー、部屋の飾りつけをしていると、どんどん心が弾んできます。
自分を「飾る」、空間を「飾る」、どちらの「飾る」にも自信を生みだすエネルギーや気分をわくわくさせる力があります。
「飾る」ことの先にはいつも楽しさや前向きな未来があるのです。

自らを着飾ったりお部屋を飾る時間はとても楽しく、気分を明るくしてくれます。そして何より、飾ったものを特別な存在へと変えてくれるものです。錺金具で装飾された神社仏閣、仏壇が重厚な輝きと人々を惹きつけるエネルギーを携えるように、暮らしの中に錺金具を取り入れることはきっと私たちの日常をより輝かせてくれることでしょう。

画像10

「之」の漢字の持つ「真っ直ぐに進む、行く、至る」という意味に、「錺金具で人を幸せにする夢に向かって真っ直ぐに進む」「錺金具の新しい道を切り開いて行く」という決意を込めています。

奈良時代から続く日本の伝統文化を守りながら、錺金具の可能性を広げる錺之-KAZARINO-。錺金具ならではの煌びやかな輝きと繊細で美しい模様が、私たちの暮らしと心を明るくしてくれます。


ー作り手情報

2021年12月28日


新着記事

もっと見る

ピックアップ記事

  1. iichi ハンドメイド・クラフト作品・手仕事品の通販
  2. 読みもの
  3. シリーズ一覧
  4. いい ちいさな ものづくり
  5. 奈良時代から受け継がれる煌めきを暮らしに。飾る力が心を明るくする、錺之-KAZARINO-の錺金具から生まれたアイテム