巾着　ハコベ

　子どもの時、ジュウシマツとセキセイインコを飼っていました。お世話をするのは、私の仕事。ジュウシマツはつがいで飼っていて、ちゃんとヒナも生まれました。他にも、金魚を飼っていて、水槽をきれいにしてもらうためにタニシを近くの川で探してきたり。小鳥には、ハコベをプレゼント。当時は、どこにでもハコベが咲いていました。もちろん、家の庭にも咲いていました。草取りをしながら、ハコベをゲット。ハコベは可憐で、強い草。大好きでした。
　でも、今、私が住んでいる東京近郊のそこそこ緑もある土地なのに、ハコベを探しても見つけることができません。ホトケノザやヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリはあるのに不思議です。時々、電柱の根元から、スミレが咲いていたりするのに（私は勝手に、ど根性スミレと名付けています）。無性にハコベが見たくなって、シークレットガーデンに行ってきました。シークレットガーデンには、なんでもあります。ハコベをジーっと見つめて心に咲かせて帰ってきて、早速、ハコベの巾着を作りました。パターンはコデマリと同じですが、今私に見えているのはハコベです！！
　ベースは、シャリ感のある、リッチモアの「東京」というコットンヤーン（イタリー製）。お花の部分は、アムネシア（イタリー製）。ネップのあるちょっと個性的な糸。可憐な花のイメージを表現するのにぴったり。葉っぱはコットンコナ 。裏地は、ちょっとこだわって、リバティを使いました。よーく見ると、身近な草花が描かれた布です。120目で立ち上げています。ちょっとそこまでのお供にしても、バッグインバッグとしてお使いいただいても。お気に入りの作品に仕上がりました。革ひもを外して、ネットに入れて、洗濯機で、洗濯OKです。アイロンも、スチームアイロンで大丈夫です。
　また、私は使用した糸や布のメーカーや、糸の種類など、毎回できるだけ詳しく記載しております。私は、よく、「編み物を教えてください」と言われることが多いのですが、体力的に、人に教えるだけの体力がないので、いつもお断りしています。その代わりとして、自分では教えられないけど、見る人が見たら、どんな素材で何を使えばこういう仕上がりになるのかをお伝えするために記載しています。編み込み文化が続いていってほしいという思いからです。ある程度自分でやっている人が見れば、「この糸を使えばいいんだな」と思ってもらえることを期待して記載しております。編み込み好きが増えるといいなぁ（以上呟き）。


中にエアクッションを詰めて撮影しています。

《使用糸》 リッチモア 東京（イタリー製）　コットン100％
アムネシア（リネン81％、ナイロン19％　イタリー製）
　　　　　　 コットンコナ コットン100％
《裏地》 リバティプリント（タナローン）　コットン100％
《ひも》 革ひも（絞った時の長さ　約23cm）