欅玉杢八角箱

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工人はジャンルが違っても、皆良き素材を求め、その入手と管理に大変なエネルギーを費やす、良き材を目利きし、手に入れて、手間ひまかけて制作にかかるための準備をする。陶工なら土や釉薬の材を自ら探し、目にかなった材料を採掘して長年寝かせたり精製のため多くの時間と労力をかける
染織工、刀鍛冶、カンナ鍛冶その他、、、、良き工人は皆そのようにする

木の工人は丸太材を目利きし、入手して製材に細心の注意を払い美しい木柄を挽きだし、乾燥する迄観察して手をかけて、割れ、歪み、虫くい、カビや腐れ等々に注意して手間ひまを惜しまない。実際に制作に取り掛かるまでのほうが労力を要するともいえる。
あとはデザインと技術の問題。

この欅、樹齢500年以上
三国街道の沼田市郊外の高山宿の本陣屋敷の庭から材木商に切り出され大きな空洞があるにも関わらず、運搬して製材するまでに数千万円かかった。その樹の一番良い部分を長さ二メートル、どうにか手に入れることができたが高価なので支払いに苦労した思い出がある。
長年木に関わる仕事をしてきたが突出した美しい木柄で、こんな素晴らしい木目の欅はどこを探しても見つからないだろうと思っている。
彫りを入れてもう少し手をかけたい気もしたが、この木目がそれを拒むので手出しは控えた。
脚は取り付けたものではなく本体と一体。
漆塗りも考えたが無塗装のままのほうが味わい深いと思い白木のま ま、
願わくば大切にしてくれる人の元で
、樹齢にふさわしい箱の命を全うして欲しいと思う。75歳、この歳まで仕事を続けられて、感謝。謝恩価格での販売です。
サイズ
外 高さ10.5cm 巾、奥行共に23cm
内 深さ8cm 巾、奥行共に16.5cm

お手入れとご注意
変色や歪み割れのおそれがありますので、直射日光、エアコン、ストーブの近くに置かない。
汚れはお湯をきつく絞った布で拭って下さい。
軽い打ち傷はその部分に熱いお湯を数滴注いでしばらく待ってください。